ノスタルジー
今週のお題「晴れたらやりたいこと」
雨はあまり好きでない。車は運転しにくくなるし、歩くと服が濡れたり汚れたり、空は暗くて気も滅入る。一方娘は雨の日が大好きで、おしゃれな傘をぐるぐる回しながら、お気に入りの長靴で水たまりにバシャバシャと入っていく。自分にもこんな時代があったのかな?
子供のころ住んでいた家は・・・。雨漏り、隙間風当たり前の純和風家屋であり、まさしく季節を肌で感じて暮らしていた。
梅雨。外では遊べない。しとしと雨音を聞きながら家で本を読んだり、ゲームをしたり。ゲームといってもまだテレビゲームが普及する前で、当時流行した野球盤ゲームであった。そして我慢できずに家の中で本当の野球をすることもしばしば。いつもはピンポン球を使うのになぜだか軟式球を使ってガラス窓を割ってしまい、家の中が水浸しになったこともあった。ただでさえ梅雨で気が滅入っているのに、母親もさぞかし大変だったことだろう。じっとりべたべた、外で遊べないのに部屋はカビ臭くなる。早く夏が来ないかなー。そして・・・、
梅雨が明けたら夏!青い空に入道雲、朝からうるさいセミの大合唱。夏休み!特に何をするわけでもないのだがなぜかワクワクする、子供の頃のあの高揚感はいまだに残っている。梅雨が明けたら、夏が来たら何しよう?
さて今日は日曜日、しかしここは職場。厄介な案件の対応中に待機時間ができたので書いている。早朝から深夜まで、1年の大半をエアコンの効いたオフィスで過ごすと季節感がなくなってくる。通勤時の日の長さは変わっていくので季節の移ろいは感じられるのだが、車内もエアコンが効いているため温度・湿度は年中快適で、梅雨時も昔のようにじっとり汗をかくようなことがなくなってしまった。季節を体感する機会が激減している。だけどなぜか梅雨が明け夏を迎える瞬間は待ち遠しい。
10年以上前になるがiPhoneを買った当初、それまで音楽とは縁のない生活を送っていたのだが、例の熱しやすい性格によってたくさん曲を購入してしまった。訳あって洋楽とクラシックがほとんどであったのだが、30曲程度の邦楽も購入した(CDからの取り込みを含む)。「邦楽」という雑なプレイリストでくくっていたのだが、徐々にこのプレイリストの再生回数が増えていく。これを聞くとなぜだか、子供の頃を思い出し、夏を迎えるあの感覚が甦るのである。
波乗りジョニー、夏色、Sunny day sunday、以心電信、Kissして・・・などなど、選んだ曲がそれなりだったこともあろうが、当時望郷の念にかられる境遇にあったことも一因だろう。私にとって雨そして初夏はノスタルジーを誘うものなのである。
以来梅雨になると、夏を迎えるためそのプレイリストの再生回数が増えていくのである。しかし梅雨には聞くのだが、夏になるとあまり聞いていない。しかも通勤の車内、日の当たらないオフィスで夜中に聴くことがほとんどであり、青空のもとで聴いたことがない!
梅雨が明け念願の初夏が訪れたら、今年は青空のもとそのプレイリストを聞きながらビールを飲んでみよう!窓を全開に開けて夏の風を感じながら!でも暑いからクーラーはつけたままで・・・。妻に見つかると怒られるだろうから、こっそりやろう。日曜日の昼下がり、娘にはジュースを用意して。いや麦茶とスイカ?茹でたトウモロコシ?
そしてそれは娘のノスタルジーの原風景になっていくことだろう。
梅雨明けはいつだ?いや今日は晴れているのか?だったら今日やってもいいな。早く仕事終えなきゃ。